無気力さんと同居するらしい


よし

朝ご飯の片付けをしてると見せかけて、真琴くん用に昼ごはんを作っておいた

まあそうは言っても夜ご飯の仕込みをして、その余りで作ったような簡単なものだけどね


部屋に行ってしまった真琴くんにバレないようにラップをかけて冷蔵庫をあける

ーーお昼。優秀な同居人より

とちょっと綺麗な字で書いた紙をくっつけておいた

見つからないかもしれないけど
念のため、ね!

冷蔵庫の一番わかりやすいところにおいて満足げに頷く


お、そろそろ行かねば

バイトの時間が近づいてきたので荷物をまとめてリビングを出ようとした


ガチャ
ガチャ


私がリビングを出たと同時に突き当たりの黒い扉も開いた

「あ」

真琴くんが全く同じタイミングで部屋から出てきたのだ

「え、もう行くの」

「うん」

「早くね?まだ30分じゃん。そんな遠くないでしょ」

まあそうだけど

いつも早めに行って友達と喋ってるんだよね

「いつもこのくらいだよ」

「ふーん」

無愛想な返事が返ってくる


「じゃあいってきます!」

「ん」

んもおお!

そこはいってらっしゃいでしょうが!

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