遺書
目的地
私は遺書を胸に抱えたまま、全力でスマホが示した場所に走った。
目的地に到着すると、走った勢いのまま建物に乗り込む。息を切らしながら入った私を待合室で待機していた人達に凝視される。私はそんな視線を気にせず受付にいる女性に声を掛けた。

「すみません。叔父さん…、高瀬透さんについて聞きに来たのですが」
「え?ああ、森谷由理さんね。少々お待ちください」

女性は側の電話を取り誰かと連絡を取る。すぐに受話器を置き、立ち上がって私を別室を案内する。
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