Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
プロローグ
「俺と離婚してくれ。睦月」

三度目の自殺未遂を起こし、退院した私に豊は冷たく言い放ち、ローテーブルの上に離婚届の用紙を置いた。

「豊…嘘…よね?」
私は恐る恐る彼に訊いた。

「嘘じゃない…」
豊は強い口調で言った。彼の顔が真顔だ。

「・・・君は俺の子を産めない…俺は神楽坂家の次期当主だ。俺の後を継ぐ子供は必要だ」

私達は両親が親しく、産まれた時から家族ぐるみで付き合い、夏休みは良く互いの軽井沢の別荘で、バーベキューや天体観測、川遊びなどしてレジャーを満喫していた。

私と豊は同い年の幼なじみ、互いに男女を意識するコトなく、仲良くしていた。

でも、成長していくと互いに異性として意識し、高校時代から交際を始めた。

そして、大学卒業して一年後、授かり婚でゴールイン。

でも、その後、お腹の子は流産。

二年後、再び妊娠したが流産。二度の流産を経験し、一年後妊娠。

その子は私のお腹の子中でスクスク育った…


二度の流産を超え、再び授かった子。
私と豊もそして私達の両親もこの子の誕生を楽しみに待っていた…



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