今日から不良王子と同居します。

玲生くんのやきもち



「じゃあね、直政くん。また明日」


「ああ、音葉……」


あの後、直政くんが帰る時間がきたので、私は玄関まで彼を見送りに出た。


せっかくアルバムを見て楽しく過ごそうと思っていたのにな。


玲生くんの話になった途端に、なんとなくきまずい雰囲気になってしまってお互い黙り込んでしまった。


車の後部座席に乗り込もうとした彼は、振り返って私をじっと見つめる。


「なあ音葉、さっきのことなんだけど」


「あ、うん」


「ごめんな、君を追い詰めるようなこと言って」


直政くんが、困ったような顔で突然謝ってきてくれたのでびっくりした。


「ううん、私の方こそごめんなさい」


慌てて私も彼に頭を下げた。


「いや俺が悪かったよ」


「でも私の方が」


「音葉、そんなに俺に気を遣うなよ。俺は大丈夫だから」


「え?」


「俺はその……音葉とは気長にやっていくつもりだから」


彼はちょっと笑って、握手を求めるように右手を差し出してきた。

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