死にたがり屋の少女は暴走族と・・・Ⅰ
「えっ?」


グイッ


と後ろから引っ張られたかと思うとそこには璃羽都がいた。


「だーかーらー、死なせねぇーて言ってんだろ?」


「璃羽斗。今のマジなのか?」


「あぁ。まじみてぇーだな。そのおかげで俺も死にかけたしぃ?」


なんて言って璃羽都は笑う。


「だから私を無視しれってあの時言ったじゃん」


蒼弥にも璃羽都と未雨の出会いの話をすることに。


「そういう事ね。なら俺も璃羽都に協力するぜ?」


はぁ?


「俺も未雨ちゃんを死なせたくない。だから未雨ちゃんが生きたいって思うようにさせてみるさ。」


蒼弥も言い出した。


「どうせ私は変わんないっての。」


「好きにすれば?」


そう言って倉庫を後にしようとした時だった。


「未雨さんじゃないっすか!!」


確か…


「波瑠…くん?」


「俺の事覚えてたんすか?!嬉しいっす!!」


と波瑠が話しかけてきた。


「おぉ。波瑠。お前未雨と知り合いだったのか?」


「総長が集会始まる前に少しだけ話したんすよ。」


相変わらず明るい子だ。


「で、お前さっき帰ったんじゃなかったっけ?」


と言う蒼弥の言葉で


「あぁ!!忘れてた!!」


波瑠は慌てて倉庫に入っていき、すぐに戻ってきた。


「携帯を忘れて取りに来たんすよ。」


「お前は忘れん坊だからな」


と笑いながら言う蒼弥。


そんな蒼弥の話を置いて波瑠は私を見て


「未雨さんのスピーチ最高でした!!」


と話し出した。その横では蒼弥が何か言っているが、今は無視。


それよりもスピーチって…


「なんの事?」


「あの見事なスピーチっすよ。まじで俺、感動したっす!!」


「あのクールなスピーチ!!」


それってさっき倉庫の前で言ったやつ?


あれってあんな感動するようなもんなの?


「確かにある意味感動したよな。」


と隣で笑う璃羽都。


意味がわかんないんだけど…


「おっと…俺もう帰らねぇーと。じゃあ!!」


と波瑠は帰っていった。
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