御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
第四章
結婚を決心してから数週間後。

蓮さんは相変わらず優しくて、一緒に食事に行ったり買い物に出かけたり、カップルとして充実した日々を送っていた。そんなある日。

『はぁぁ!? 春海が、結婚!?』

ようやく両親に蓮さんのことをちゃんと話そうと決心がつき、電話で事情を話したら案の定の反応が返ってきた。

やっぱりびっくりするよね……。

「う、うん……そういうことになりそうなんだ。だから一応話しておこうと思って」

結婚と聞きつけて、姉妹たちが『えっ? 春海ねーちゃん結婚するの!?』『嘘! 本当!?』
と電話の向こうからてんやわんやの声まで聞こえてきた。

『いやー、びっくりやわぁ……どんな人なん? 会社の人?』

「ううん。違うんだけどね」

蓮さんのことをどう説明しようか……。

毎日会って、キスをして、身体を重ねて甘い時間のことを思い出すだけで頬が緩む。

『まったく、夏海のときもそうやったけど、なんでもかんでもいきなり過ぎるんやから、だいたいねぇ――』

あー、また始まっちゃった。

ちょくちょく実家に連絡しないから、こっちも準備がるんだから、とか、そういう愚痴のオンパレードを聞かされる前にこれはもう電話切った方がいいね。

「会社行く時間だから! ごめん、また連絡する」

『あっ! ちょっと! 春海!』

私を呼び止める母にもう一度「ごめん」と謝って、通話を切るとどっとため息が出た。
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