子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
エロ大魔王のくせに、本当に丁寧に優しく、最大限に気遣いながら、ゆっくりと時間をかけて私を抱いた。

どうして彼は、こんなにも優しくしてくれるのだろう。

私に義理立てする必要なんてない。自由にしていいっていう約束なのに。

普段以上に気遣ってする行為なんて、彼にしたら面倒だと思えてしまうだろうに……


幸せな余韻に浸りながらも、頭の中はそんな疑問がぐるぐると巡っている。
けれど、程よい疲れと、後ろから抱きしめてくる彼の体温があまりにも心地良くて、すぐに眠気に襲われてしまう。

やっぱりまだ足りなかったのか、柊也さんはずっと私の髪や首筋に口付けをしているようだ。

「おやすみ、紬」

「ん。おやすみ」


幸せだなあ……
決して口に出しては言えないけれど、今だけは……思うだけならいいかと、内心で噛み締めながら、徐々に意識を手放していった。



〝愛してる〟



そんなふうに聞こえた気がしたのは、おそらく私の願望が生み出した幻聴に違いない。










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