子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「雅也。一生懸命作ったものを〝やあだ〟なんて言われたら、お母さんだって悲しいと思うぞ」

柊也さんが、情に訴える作戦に出た。ここぞとばかりに、私が悲しそうな表情をしてみせる。大袈裟な表情かもしれないけれど、悲しいのは本当だ。嘘にはならないはず。

「お母さん?」

「ん?」

「…………」

母親の悲しむ顔を見て、小さな雅也が一生懸命考えているのがわかる。果たして、どう反応するのか……


しばらくして雅也は、おもむろに小さい方のブロッコリーを手掴みにした。そのまま口の中に放り込むと、ギュッと目を瞑って、必死に耐えるかのように顔をしかめながら咀嚼し出した。

こんなふうに頑張ってくれるのだったら、たとえ手掴みだってかまわない。きっとそれは、幼い彼なりの精一杯の抵抗だったのだろう。
ゴクンと飲み込むのを見届けると、思わず歓声を上げた。


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