「うっ……うっ……うう……」

今日は隼世さんと気持ちが伝わり、そしてお父様にも認めてもらえることになるなんて、朝起きたときにはまったく予想していなかった。

あまりにも大きな感動に、涙が溢れて止まらない。

「菜々花さん……」

握手を終えて嬉しさで倒れ込みそうな私を、隼世さんは背後から支えてくれる。

「隼世。お前は今日はもう休みを取って、星野さんを家までお送りしなさい」

「えっ、でも、総務部の方が……」

口を挟んだのは私だった。社長さんはハハハと笑い、「きみは本当に会社思いだな」とつぶやく。

「大丈夫。こういうときこそ普段のらりくらりとやっている部長の高木くんに働いてもらえばいい。星野さんにしっかり謝罪をする方が先だ。いいな、隼世」

「はい」

私は隼世さんにエスコートされながら、マネージャー室を去っていく。ドアが閉まる前に、斗真さんがヒラヒラと手を振り、ニカッと笑っていた。

前を歩く隼世さんに付いていきながら、私たちはずっと手を繋いだままだった。