恋する少女漫画家

大学に入って約2ヶ月。

その間につき合った男は2人。

彼氏作りにやっきになってしまう理由はただ1つ。
亮二さんの存在が自分の中で大きく膨らんでいくことに、焦りを感じていたからだ。
その焦りはあたしを全く別な恋へと、駆り立てた。

雪乃さんというパーフェクトな彼女がいると知った時、あたしの中に淡く芽生えていた亮二さんへの感情も、自然に消えていってくれるだろうと、そう思っていた。

ところが、彼に会えば会うほど、芽生えた想いは消えるどころか膨らんでいって、ここ最近は、その気持ちにふたをすることに必死になっている始末。

片想いなんて、したくない。

ましてや、それが叶わぬ恋だとわかっているならば、なおさら。

だから、報われない恋からは、逃げなきゃいけない。

自分の想いをハッキリ自覚してしまったら、一線を超えてしまったら、きっと限りなくつらい泥沼の感情を強いられることになるのは、目に見えている。


あたしは自室の机にかじりついて書き上げた、あらすじをまとめたプロットを読み返す。
プロット3本とも、なぜか片想いをするストーリーになってしまった。
そのうちの1つは、彼女がいる男の人を好きになってしまう話。
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