恋する少女漫画家
考えたくない事柄が、次々と頭に浮かんできてしまう。
そしてハッとして、思考を止める。

そんなことをバカみたいに、何度も繰り返してしまう。

あたし何やってんだろ。
はぁと、ため息をつく。

「江奈、今日なんか大人しくないか?どうかした?」

亮二さんはあたしの顔を覗き込む。

「それじゃーまるであたしが、いつもうるさいみたいじゃないですかー」

早鐘の鼓動を苦笑いで誤魔化す。


あたしの抱えている複雑な想い、きっと亮二さんは知るよしもない。
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