翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
自分の具合の悪さにも気付かないで、看病グッズ持ち込みで家に来たって話したら、姉貴は可愛すぎてどうしようと悶えてみせた。
「なんなのそれ!どんだけピュアなのよ〜。それになびかないあんたって何なの?ほんとに人の血が流れてんの?」
反省の色が全くないから、とにかく俺らで遊ぶのはもうやめろと、忠告だけはしておいた。
「一生懸命な美緒の優しさを弄んなよな」
ちゃんと普通に嬉しかったよ。
真顔で玄関先に突っ込んで、荷物ばらまいてさ。
あーいつもの空回りが始まったか?って思ったけど、あいつはめちゃめちゃ真剣に俺のことを心配してた。
ちょっとドキッとするくらい一生懸命だった。美緒の不調に気づけたからよかったけど、こっちだって心配で不眠不休だっつーの。
そのうえ涙の理由がさっぱりわからなくて、また一つ余計に課題を抱えた気がしていた。