天色ガール



「あ、そうだ。暁って裏門がどこにあるか知ってる?」



コウに言われたその“裏門”とやらはどこにあるのか聞くと、暁は「裏門?…なるほど。そこ使えばいいのか」納得したように手を叩いた。


……だからどこかを聞いてるんだけど。




「あ、ああ。裏門っていうのは教師と理事長だけが使える門のことだよ」




ジト目で見ていれば、少し吃りながらもやっと答えてくれた。



……って、教師と理事長だけが使える門!?




「そんなの使っちゃっていいの?」


「理事長の俺が許可したんだし大丈夫だろ」




ははは、と笑って職権乱用する暁に「これ予備だから返さなくていいぞ」と裏門の鍵をもらった。


いや軽っ!しかも笑ってるし…。



……もうこの際、お言葉に甘えさせてもらおう。




「裏門の場所は?」


「毎朝通る校門が正門だから、その反対側にある。いつでも使っていいからな!」


「ありがと。じゃあ、また後で」





あたしはその“裏門”を使って家に帰り、コウからの連絡を待った。



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