俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

コンバート

★★★






《神威!…神威!》



どこからともなく、神威さんの名を呼ぶ声が聞こえる。

辺りを見回してみるが、どこを見てもその声の主の姿はなく。

傍にいる美奈人や咲哉さんは、フロアの戦況を見守っていて、反応している様子が全くないことから、この声は聞こえていないようだ。

俺にだけ聞こえる声?幻聴?

それとも、みんなシカトしてんの?ただの生活音?



だが、その声は響き続ける。



《…神威!…そいつはおまえには無理だ!代われ!》



…やっぱり聞こえる!高めの男性の声が。

何故俺だけに聞こえるのかは置いといて、その名前を呼ばれた張本人の様子を見守る。



「………」



一見、無反応。と、思いきや、なんとなく気まずそうな顔をしているのがわかる。

この人こそ、シカト?



《何無視してんの!おばさんのおまえの霊力じゃ、高位魔族の相手は無理だ!代われ!俺がやる!》

「ううぅぅ…おばさん言うな。【転換】したら明日全身筋肉痛…」

《つまらん意地張るなー。そんなもん温泉入ってストレッチせい》

「そんな他人事…!」
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