俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

ピクピクと引き攣った顔をしたのち、大きく深いため息をついた。その顔は何故かとても悲しそうだ。



「老化には逆らえません。…わかった」



そう呟いて、神威さんは大剣の先を大きく天へと翳す。

「…蘇芳の無限、創造…【術式展開】」

同時に、神威さんの体から波打つように衝撃波が放たれて、白肌テカテカ魔族を後退させ距離が離された。

神威さんの真下に、術陣が出現。

その様子を見た美奈人は「おっ」と声をあげる。



「神威、コンバートか?」

「え?コンバート?」



美奈人は頷く。



「コンバート、転換術式。…神童ってのは本来、『ガーディアンの力を借りて戦うことが出来る』なんだけど。この術式さえ覚えてしまえば、ガーディアンそのものを呼んで自分の代わりに戦わせることが出来るんだ」

「じゃあ…」

「相手はレベ高の高位魔族。…自分のガーディアン、【梵天・白帝天王】を直々にぶつけるってわけよ。神威がアイヌの呪術師の末裔で素人神童ではないからこそ、成せる技だ」

じゃあ、神威さんはこれからガーディアンそのものを喚ぶってこと?

さっきの声は…神威さんのガーディアンの声か!
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