SP警護と強気な華【完】
6章:真実を知った時。

(かね)の場所はわかったが
 アレをどう守っていくか、だな」

「そうですね。
 とてもじゃないですが持ち出せませんし…」

とある日曜日
カトレアが住む豪邸の応接間にあるL字ソファに腰掛け、真剣な様子で作戦会議を行う2人。

「あの大金
 本当に10億あると思うか?」

「わかりませんけど…
 柊さん数えてみます?」

「…遠慮する。
 あんなのずっと見ていたら気が狂いそうだ」

「…私もです」

金庫の中身を思い出し
庶民が手にするには恐ろしい額だと痛感させられ
思わず『はぁ~…』と溜め息が重なった。

「そもそもどうして現金で保管していたんだ?
 小切手や手形で銀行に預けていた方が
 それこそ安心だろ。
 これじゃ見つかるのも時間の問題だぞ」

「お爺様は常に現金を持っていたい人でした。
 銀行に預けるのは好きじゃなかったので
 そういうところ頑固だったのかも。」

「あー…なるほどな。
 だからってあの額ならフツー預けるよな」

『金持ちの感覚がわかんねー』と
呆れながら珈琲を飲む柊に
カトレアも苦笑。
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