SP警護と強気な華【完】
カトレアが熱で寝込んでいる間
柊は、《《ある事件》》について調べていた。
「14年前の監禁事件…」
彼女が思い出したと言っていた
”箱”に閉じ込めらた記憶。
その事件の資料だ。
カトレアがいなくなった当時の経緯を辿り
誘拐だと判明したキッカケと
それに繋がる犯人の目的。
監禁から1週間後
犯人は逮捕され、人質だったカトレアも救出。
事件は無事解決された…はずだった。
「なんだ…?
どうにも引っ掛かるな」
何度読み返しても納得出来ない部分が幾つかあり
それについて言及されていない。
何より1番、柊が疑問に感じたのは…
「”公園で1人”って…
じゃぁ俺が見たのは…誰なんだ?」
14年前と言えば柊自身も子供だった為
当時は違和感を覚えなかった。
”それが普通で当たり前な光景”
そう思っていたからだ。
「まさか…な」
嫌な予感が頭を過り
もしそれが事実であれば
カトレアが記憶を失った意味が理解出来る。
そして同時に
思い出すにはあまりに辛すぎる出来事だ―――