追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
三:伝説の聖女、調味料と調理道具を布教する
そういうわけで、シリルにドワーフとの連絡をつけてもらい、私はテオと二人でモフィーニアの外れに向かった。

転移の魔法陣とテオの風魔法があったので、移動が格段に楽だ。

洞窟都市フォルフォッグ――住んでいる種族は主にドワーフで、採掘と金属や石の加工が盛んな街。

巨大な岩山の中が、温かなランプの灯る広い空間になっており、日の光が苦手な彼らはここで生活している。所々にむき出しのカラフルな鉱石や不思議な植物があり、ぼんやりと発光していた。

ここに住む獣人系の下級魔族は、モグラやアナグマ姿のモフモフだ。むくむくしていて癒やされる……

私とテオは、フォルフォッグの中でも鉱物の加工が盛んな場所に向かう。カンカンカンと石や金属を叩く音が洞窟内にこだましていた。

金属を加工するドワーフは大勢いて、それぞれ得意分野が違うため、依頼内容によって担当する工房が変わるらしい。

まずはシリルが話をつけてくれた紹介所へ向かう。

足下には、エメラルドグリーンの光を放つ絨毯のような植物がたくさん生えていた。

「ヒカリゼニゴケの群生地っすね。初めて見たっす」

城に来る前に森で働いていたテオは植物に詳しいみたいだ。ヒカリゼニゴケを辿っていくと、オレンジ色に光る大きなキノコ型の建物が出現した。

「ここが紹介所?」

中にもキノコが生えている。
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