追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
その後、仕事を抜け出してきたシリルも、ちゃっかり串カツを楽しんだ。

ついでに、彼を探しに来たアルフィも一緒に食事をし、楽しいひとときを過ごす。

「そうだ、エマ。食堂を開店するに当たって、不便に思うことはない? 料理のこととなると、僕では知識不足で」

「なら、少しお願いが」

私は揚げ鍋のことを彼に相談した。

今の鍋では浅くて油が跳ねやすいこと、一度に少量しか揚げられないことなど話していると、シリルはいいことを思いついたというように表情を輝かせる。

「……なるほどね。それじゃあ、ドワーフ系の魔族に頼んでみよう」

「ドワーフ?」

「うん。モフィーニアの外れに住んでいて、ちょっと気難しい種族なんだ」

モフィーニアは基本的に獣人系魔族が多いけれど、海の近くには魚人系魔族が、崖の近くには鳥人系魔族が……と、他の種族も暮らしている。

「とはいえ、僕では細かな要望はわからないから、エマが直接頼む方が早いと思う。今のモフィーニア国内は安定しているから、移動は大丈夫だよ」

二人で話していると、テオが割り込んできた。

「俺がお供するっす! こう見えて、腕には自信があるんで!」

うん、見た目のままだよ。

突っ込みはさておき、私はテオに同意した。

「テオと一緒に向かうことにします」

「うん、わかった。本当は僕がエマと一緒に行きたいけど」

「魔王陛下、仕事がたくさん残っていますよ」

シリルの要望は、アルフィにバッサリと却下されてしまった。

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