恋愛境界線
scene.01◆ わ、若宮課長!?
―――――――……
――――――……


変な夢を見た。


上司が、眠っている私をベッドまで運んでくれる夢。


どうしてそんな夢を見たのかは判らない。


けれど、夢の中で運ばれている時、その腕の中がすごく心地良かったことだけは覚えている。


「んー……」


ぼんやりとした頭で二度寝をしようと決め、ベッドの中で寝返りを打つ。


今が何時なのかは判らないけれど、今日は休日であることだけは確かだ。


休みの前日ってこともあって、昨日職場の人たちと仕事上がりに飲みに行ったのだから。


どうやって帰ってきたのか記憶が定かじゃないけれど、今はそんなことどうだっていい。


だって、このベッドすごく寝心地が良くて――。


って、ちょっと待って!


私のベッドカバーやシーツは、こんな深い海の底みたいな紺色じゃない!


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