素直になりたい。
Ⅴ ガーネット
夏休みが明けて最初の登校日。

9月1日、毎月恒例の映画デートデイ。

の、はずだったんだけど、

それは突如、無くなった。


「え~、文化祭の実行委員ですが、先生の方で勝手に4名、選出させてもらいました。名前を呼ばれた人は、責任を持ってやるように。1人目は...天羽くん」

『お~!』


クラス中から歓声が上がる。

天羽くんは座りながら頭をペコペコしている。

その姿さえも王子はカッコいい。


「え~、で、2人目は......櫻庭くん」

『お~!』

『え~っ!すごっ!』


私も同感。

今年のクラスの顔面偏差値が高いのは当初から認識していたけど、

まさか実行委員会までクラスの2トップを揃えてくるなんて。

先生の企みが恐ろしい。


「で、女子は立花さん」

『やっぱね!』

『頑張って、ちーちゃん!』


まぁ、男子があの2人なら、それに見合うのは千咲ちゃんくらいしかいない。

なのに、あと1人必要なのか。

その1枠の人、可哀想だな。

うまくやっていけるのだろうか。

なんて、心配をしていると、先生がじろっと私を睨んできた。

えっ?

ん?

いや、まさか...。


「最後は...鷲尾さん。よろしくね」

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