こうして、アラレさんとのひと悶着は。
 いつのまにか、解決していた。

 すっきりとした気持ちでベッドに横になろうとしていると。
 ドアがノックされて「こんばんはー」と誰かが入ってくる。
 入ってきたのはユキさんだった。
 ユキさんは髪の毛をオールバックにしていて。
 黒っぽいスーツを着ていた。
「お出かけしていたんですか?」
「うん。ちょっと・・・」
 言葉を濁されたので、それ以上は訊かないほうがいいのだろうと感じた。

 ユキさんはベッド前に置いてある椅子に座る。
「アラレとは、その後どう?」
「あ、今日。仲直りしました!」
 私が言うと、ユキさんは「良かったね」と笑った。

 一気に部屋が静まり返る。
 ユキさんは頭をぼりぼりと掻いた。
「あ、あの。ユキさん」
「うん?」
「ユキさんがどこかの国の王子様だってアラレさんが言ってたんですけど」
 とっさに出た話題だった。
 ユキさんは、じーと私を見る。
「あの、それって…」
「ああ。本当だよ。俺、王子様だよ」
 ふっと笑ったユキさんに。
「えー」
 と心の叫びが声に漏れた。