パラダイス、虹を見て。
 どすんっ。
 衝撃で尻餅をつく。
「えっ」
 目の前には、秘密の館で掃除係として働く男の子が立っていた。
 …ただ、立っているのではない。
 手には長剣を持って。
 私の喉元に突き付けている。

 何が起きたのかわからず。
 固まっていると。
 男の子は、ゆっくりと長剣の先端を喉に、ゆっくりと近づける。
「すぐには殺さないから安心して」
 喉元から血が流れる。
 長剣が喉元から少し離れた。

「僕のこと覚えてる?」

 青空の下、
 事件は起きたのだった。
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