運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
番外編 ~シェフの溺愛~
「今日はバイトは?」
「うーん、今週末までの仕事が入ってるけど、急ぎじゃないから」
「そっか。じゃあ、今日はゆっくりできるな」
「うん。お店、手伝おうか?」

そんな会話をしながら一緒に朝食を食べる朝。

綾乃は1年前に仕事を辞めた。

しっかりと自分の体を治そうと前向きに治療に取り組み、心療内科だけでなく最近カウンセリングにも通ったり、同じ経験をしている人とのサークルにも参加している。

確実に綾乃の症状は改善してきていて、そばで支える悟も明らかに綾乃の表情が変わったことを実感していた。

「じゃあ、ランチの時間に合わせて手伝ってもらえると助かる。」
「了解。」
綾乃は悟のレストランを手伝うことも増えていた。

仕事を辞めたとは言っても、綾乃が稼ぎ頭でもあった会社から、在宅でできるような負担の少ない仕事を任されている。
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