運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「迎えに来ようか?」
「うんん。今日は大丈夫。」
「じゃあ、難しかったら連絡して。来るから。」
「うん。ありがとう。」
綾乃の体調はその日や時間によって変化が大きい。

最近、かなり体調のいい日に買い物へでかけ、帰宅してから頭痛と耳鳴りに襲われて吐いてしまうこともあった。

まだ、完全によくなったわけではない綾乃の体調。

悟は綾乃をそばで支えながら、綾乃自身がちゃんと自分の体調と向き合えるようにしている。

「今日はにぼしのお出し?」
「そう。どう?」
「おいしい。」
「このだしを今度和風パスタに使ってみたいんだけど、まだ成功しないんだよなー。臭みが強くなっちゃってさ。でも、絶対に合うと思うんだ。」
「そうだね。」
悟は常に料理の研究をしている。
毎日同じメニューは出さない。
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