お日さまみたいな温かい君に包まれて

雷雨の1日

クッキーパーティーから9日後の木曜日。


今日は朝から雨。
時々空が光っては、ゴロゴロと唸っている。
まだ雷は落ちていない。


ドキドキする胸を抑え、無事に3時間目の授業を終えた。




「おい、歩きづらいんだけど。もうちょっと離れて」

「あぁ、ごめん」



体操服が入ったバッグを肩にかけて、前を歩く東馬にしがみつき、体を縮めながら更衣室へ向かう。


別に、雷が怖いわけじゃなくて、誰かにそばにいてほしいだけ。

だってこんなに外暗いんだぜ? 1人ぼっちだと心細いだろ?


すると、廊下の窓から見えた灰色の雲が一瞬黄色い光に包まれ、ゴロゴロと唸り声が聞こえた。



「おおお……」

「……大丈夫だよ、ここには落ちないから」

「そ、そうはいっても、ここ3階だぜ」

「だから大丈夫だって。階段下りるからちょっと離れろ」



溜め息をつく東馬から一旦離れ、そっと彼の体操服の裾を掴んだ。


……ごめん、嘘ついた。


小さい頃はそこまで怖くはなくて、むしろ興奮してたほう。

……だったんだけど、以前この近くで落雷があった時、実際に被害に遭った建物を見てしまったんだ。

それから雷に対して、ちょっぴり恐怖心が湧いちゃったってわけ。
< 94 / 239 >

この作品をシェア

pagetop