――あ。ここ、18禁乙女ゲームの世界じゃん。詰んだ。

 ――しかも。私、悪役令嬢ポジションじゃん。死んだ。


 6歳のある日。
 お気に入りの薔薇園で幼なじみたちと鬼ごっこをしていたある日。私は唐突に気づいてしまう。

 私――ルディアーヌ・ルージュが生まれたのが『ゴシック! シリアス! ブラッディ!』が売りの異色の18禁乙女ゲームの世界だということに。

 ダークファンタジーな世界観の王宮で繰り広げられる陰謀渦巻く愛憎劇。

 力を持たない男爵家の娘であるヒロインは、誰が敵かわからない疑心暗鬼の状態で攻略対象(愛する人)を救い、時に命を狙われながらも健気に愛を貫きエンディングを目指す。
 そしてヒロインと、ヒロインの恋人を陥れるべく華麗に暗躍する公爵令嬢()


 そんな内容のゲーム『白と黒の夜想曲』……通称『白黒』には攻略対象が二人しかいない。

 一人目の攻略対象はこの国の第一王子。公爵令嬢(※私)の幼なじみ。
 白に近い金髪と、金の瞳を持つブラン・クローフィ王子。
 私より二歳年上で、ゲーム開始時は21歳。乙女ゲームの攻略対象なので当然美形。
 身長180センチ。細身の長身が優美に剣を操る姿はまるで舞のようだと虜になる貴族の女性が続出。
 白黒ユーザーには『白王子』の別名で呼ばれていた。
 ちなみに今、幼少期(8歳)の彼と一緒に鬼ごっこをしている。

 二人目の攻略対象はブランの弟の第二王子。公爵令嬢(※私)の幼なじみ。
 艶やかな漆黒の髪と、金の瞳を持つノワール・クローフィ王子。
 私と同い年で、ゲーム開始時は19歳。乙女ゲームの攻略対象なので当然美形。
 身長181センチ。兄に似た体型ながら、繰り出される剣技は豪快で騎士団に崇拝者が多い。
 白黒ユーザーには『黒王子』の別名で呼ばれていた。
 ちなみに今、幼少期(6歳)の彼と一緒に鬼ごっこをしている。
 
 子供時代の今でこそ、私も交えて3人で無邪気に鬼ごっこなんてしているブランとノワールだけれど、成長するにつれてこの国を自分のいいように操ろうとする腐った大人たちに利用され、お互いや両親を憎み疑い、ドロドロの殺し合いを演じるようになる。