騎士(ナイト)に チェックメイト
動き出した悪夢
あの日から2週間が過ぎ5月に入った。
樹くんはサッカー部を辞め、毎日私の送り迎えをしてくれている。
毎日バイバイする時に頭を撫でてくれる樹くん。
幸せの中に私はいた。
人はなぜすぐに慣れてしまうのか。
何もなく過ぎていく毎日を当たり前だと思ってしまうのか。
団練を終え今日はバイトがお休みだから学校から家まで歩いて帰った。
「そろそろ団の衣装作り始めないとね」
「俺無理だよ〜さくら作って?」
「えー、しょうがないなあ」
なんて幸せの会話。
家に付きポストを開けると分厚い封の閉じていない封筒が。
「なんだろう?」
中をみてみると
「っっっ!!」
大量の写真。
全部私と樹くんが一緒に写っていて樹くんの顔だけマジックでぐちゃぐちゃに潰されていた。
それともう一つ。
あの小瓶。