研究員たちの思春期〜恋の仕方が分かりません!〜

7.告白

そろそろぼちぼちお昼にするか。
研究室にそういう雰囲気が流れ始める12時前。

今日は学食行こうかな、と時計を眺めながら思う。

理仁はまだパソコンに向かってるから、いいや、一人で行こう。

そう思った時、ドアの方から「失礼します」と控えめな声がした。

声の方を見る。

我が校の準ミス・勝田エリーだ。

クラゲのような美しさ。
ツヤツヤの髪が弾む。

彼女は彼の姿を見つけてまっすぐに研究室に入ってきた。

院生たちが皆「何事?」と驚きの表情を隠せない。

李さんが私を見る。

彼女、なかなかやるわね、というような顔。

勝田エリーはパソコンに夢中な理仁の肩をポンッと叩いて驚かす。

案の定、理仁が驚いて見上げる。
そしてイヤホンを外す。

「どうも」
「お昼、一緒に食べれないかと思って」

積極的。

私は彼女に背中を向けてドアに向かう。

廊下に出てドアを閉めようとした時、少しだけ戸惑ってるような理仁と目が合った。

ごゆっくり〜。

視線でそう言って、ゆっくりドアを閉めた。
李さんが私の肩に手を回してくる。

「ジュンミス、スゴイ・・・」

李さんも圧倒されてるようだ。
私は「ya(そうなのよ)」とだけ返す。

李さんが私の髪を撫でてくれる。

「ゴハン、タベレバ、ゲンキナル」
「ya,I think so too(ほんとよ、私もそう思うわ)」

李さんに肩を組まれながらトボトボと長い廊下を歩いた。

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