37℃のグラビティ
「彼女は多分、どうせ前の学校の子だよね? そしたら遠距離でしょ? ってなったら、別れる確率も高いよね?」


いったい何を根拠に決めつけてるのか、明日香の妄想暴走が始まった。


「そして別れた時が、チャーンス!!」


アタシのどこか冷めた視線もおかまいなしに、明日香は両手を広げてオーバーリアクション。


こういうの、ポジティブシンキングって言うの!?


だとしたら……アタシは絶対その逆だ。


そもそも、彼女持ちの男をどうこうしようなんて、思えないし、思わない。


ただでさえ、面倒くさい恋愛が、もっと面倒になりそうで……絶対好きになんか、ならない。


今までそこまでの気持ちを持って、人を好きになった事がないから、よくわからないのかもしれないけど――
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