8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~
「では。実は、氷を輸入したいと考えているのです。オズボーン王国は温暖ですから、この時期、氷は保管したものしかないでしょう。ですが、ブライト王国はいつでも氷を入手することができます。輸送にかかる費用を考えても、この時期は、輸入したほうが安価で氷を手に入れるのではないでしょうか」
「それはそうだろうが、氷など何に使う」
「とりあえずは氷を使ったスイーツでしょうか。でも他にも用途はいろいろありますでしょう?」
「やはり昼間のはお前か」
オスニエルに突然手を掴まれ、フィオナは動揺する。顔が熱くなっているのがわかって、ドキドキしてくる。
「なっ、手っ」
「今日、お前が広場で露天商の真似事をしているのを見たぞ」
「あれはっ」
「王太子妃が何をしている」
先ほどから、オスニエルが王太子妃と連呼するのに、フィオナはムッとする。妃として扱わないと最初に言ったのはそちらではないか。
「あれはっ、身分は明かしていません」
「そういう問題じゃない!」
「ちょっとお手伝いをしていただけです。商売として成り立ちそうだし、これからは自分たちでできるよう、援助ができればいいなと」
「なぜお前がそこまでしなきゃならないんだ」
「私の国民だからですよ!」
フィオナはオスニエルの手をはじいた。
「この国はもう、私の国です。国民が幸せになるように考えて何が悪いのですか」
予想外の返答に、オスニエルは言葉がない。フィオナは人質のようなものだ。傷つけて泣かせて、国に逃げ帰らせようと企んでいた。
だが彼女は、勝手に自分の道をこの国で見つけようとしている。
「……もういいです。氷に関しては個人的に手配します」
「おい!」
「商人に交易は認められているのでしょう? であれば、私が援助した商人にもその自由は認められるはずです」
「それはそうだろうが、氷など何に使う」
「とりあえずは氷を使ったスイーツでしょうか。でも他にも用途はいろいろありますでしょう?」
「やはり昼間のはお前か」
オスニエルに突然手を掴まれ、フィオナは動揺する。顔が熱くなっているのがわかって、ドキドキしてくる。
「なっ、手っ」
「今日、お前が広場で露天商の真似事をしているのを見たぞ」
「あれはっ」
「王太子妃が何をしている」
先ほどから、オスニエルが王太子妃と連呼するのに、フィオナはムッとする。妃として扱わないと最初に言ったのはそちらではないか。
「あれはっ、身分は明かしていません」
「そういう問題じゃない!」
「ちょっとお手伝いをしていただけです。商売として成り立ちそうだし、これからは自分たちでできるよう、援助ができればいいなと」
「なぜお前がそこまでしなきゃならないんだ」
「私の国民だからですよ!」
フィオナはオスニエルの手をはじいた。
「この国はもう、私の国です。国民が幸せになるように考えて何が悪いのですか」
予想外の返答に、オスニエルは言葉がない。フィオナは人質のようなものだ。傷つけて泣かせて、国に逃げ帰らせようと企んでいた。
だが彼女は、勝手に自分の道をこの国で見つけようとしている。
「……もういいです。氷に関しては個人的に手配します」
「おい!」
「商人に交易は認められているのでしょう? であれば、私が援助した商人にもその自由は認められるはずです」