8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~
決意を宿す、まっすぐな瞳。オスニエルは飲み込まれそうな気がする。
国を生かすことを考えるのはオスニエルの使命だ。今まではずっと、領土を広げることがこの国を生かすことだと信じて疑わなかった。新しい領土から、搾取すればこの国は潤い続けるからだ。
(だが、他国が自分の国だと……?)
フィオナは迷わずそう言った。彼女がこの国を受け入れたのだ。それはつまり、自分の妻として生きることを受け入れたということだ。
ふいに、顔が熱くなってくる。
オスニエルは口もとを押さえて呻いた。
「どうされました?」
「いやっ、何でもない」
彼女が自分の妻として生きようとしている。
それに、なぜこんなに動揺するのか。オスニエルには自分の気持ちがわからない。
「俺は帰る」
「殿下! 殿下のご用はなんだったんですか」
「それは……」
オスニエルは一度口ごもり、そしてできるだけ冷淡に聞こえるように、抑揚なく告げた。
「お前の次の孤児院視察に同行する」
「はぁ?」
「異論は認めない。いいな」
「ちょっと!」
オスニエルは足音高く出ていってしまう。
「……何なの」
『あいつ、子供みたいだな』
ドルフが膝に顎を乗せてきて、そう言う。
「子供みたい? そうかしら」
『フィオナはもう少し、男心がわかるようになった方がいいんじゃないか』
馬鹿にしたように言われ、フィオナはドルフの頭を軽く叩く。彼は、不満そうに「クウン」と呻き、ポリーにおやつをもらいに行ってしまった。
国を生かすことを考えるのはオスニエルの使命だ。今まではずっと、領土を広げることがこの国を生かすことだと信じて疑わなかった。新しい領土から、搾取すればこの国は潤い続けるからだ。
(だが、他国が自分の国だと……?)
フィオナは迷わずそう言った。彼女がこの国を受け入れたのだ。それはつまり、自分の妻として生きることを受け入れたということだ。
ふいに、顔が熱くなってくる。
オスニエルは口もとを押さえて呻いた。
「どうされました?」
「いやっ、何でもない」
彼女が自分の妻として生きようとしている。
それに、なぜこんなに動揺するのか。オスニエルには自分の気持ちがわからない。
「俺は帰る」
「殿下! 殿下のご用はなんだったんですか」
「それは……」
オスニエルは一度口ごもり、そしてできるだけ冷淡に聞こえるように、抑揚なく告げた。
「お前の次の孤児院視察に同行する」
「はぁ?」
「異論は認めない。いいな」
「ちょっと!」
オスニエルは足音高く出ていってしまう。
「……何なの」
『あいつ、子供みたいだな』
ドルフが膝に顎を乗せてきて、そう言う。
「子供みたい? そうかしら」
『フィオナはもう少し、男心がわかるようになった方がいいんじゃないか』
馬鹿にしたように言われ、フィオナはドルフの頭を軽く叩く。彼は、不満そうに「クウン」と呻き、ポリーにおやつをもらいに行ってしまった。