俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「どこ持っていけば良いの? これ」

「え! い、一之瀬くん!?」


いつの間にか隣に一之瀬くんがいて、ほとんどのノートを持ってくれている。


「職員室だけど……でも、悪いよ」

「後ろから見てたら美月、すっげぇふらふらしてたぞ?」


ウソ! まさか、見られてたの!?


「俺もこっちに用事あるからさ、一緒に行こ。ひとりで無理すんなよ」︎︎︎︎

一之瀬くん……。


「ありがとう」


一之瀬くん、最近は意地悪で強引なところもあるけど。優しいんだな。


一之瀬くんは、今日の1限目の授業後に黒板を消してくれてから、2限目以降も毎回私と一緒に黒板を消してくれている。


私の手が届かない、黒板の上のほうをいつも。


今だって、ほとんどのノートを一之瀬くんが持ってくれてるし。


重たいと思っていたから、助かるなぁ。


そして、ふらついてた私と違って軽々と持って……やっぱり力持ちだな。


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