俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「ほんとありがとうね、一之瀬くん」
「全然。美月の役に少しでも立てたのなら、俺は嬉しいから。さっ、教室戻るか」
ノートを職員室まで運び終えると、一之瀬くんの足が、わたしと同じ方向を向く。
「あれ? 一之瀬くん、こっちに用があったんじゃ?」
「ああ。用なら、もう済んだから良いよ。美月を手伝うっていう用だったし」
え? そうだったの?!
職員室は1階で、2年生の教室があるのは3階。
また階段を上って、戻らなきゃならないのに。
私のために、わざわざ来てくれたの?
一之瀬くんの優しさに、心の奥のほうがジンと温かくなった。