蒼春
後ろから声がした。振り向くと小木さんと渡辺さんがいた。確かこの2人とは入学式にLINEを交換しているはず。

『そーなんだ。もう練習に参加したりするの?』

『うん、先輩に知り合いいてさ。よかったら今度見に来てよ!』

『うん、楽しみにしてるね!』

『雪ちゃんはどこに入るの?』

私が聞くと雪ちゃんは『んー、料理部、かな…。お菓子作りたくて。』と言った。

え、絶対美味しいじゃん、食べたいぃ…。


『乃蒼は?どうするの?』

うっ……私かぁ。

『じ、実はまだ決まってなくて…。とりあえず1回全部見て回ろうと思てるの。』

『私も他の部活見てみたい!ついていってもいい?』

楓がいうと雪ちゃんも“一緒に行く”と言ったので、結局みんなで回ることになった。


月曜日は弓道部とハンドボール部、テニス部を見た。

うーん、なんか違うなぁ…。


火曜日はバスケ部と吹奏楽部を見に行った。体育館に行くとたくさんの人がいた。

なんでこんなに混んでるんだろ?

奥のコートを見ると楓たちが練習を始めている姿が。雪ちゃんと一緒に近づいていくと楓が私たちに気付いて元気に声をかけてきた。

『乃蒼ー、雪ー、こっちこっちー!暇なら一緒に体験しない?』

というので少しだけ体験することにした。


すると後ろのコートで大きな歓声が上がった。驚いて振り向くと体育館の入り口にいた女子生徒たちがキャアキャア騒いでる。

びっくりしたぁ…何事ですか?!
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