蒼春
『そうですか、よかったです!』

ふと、今何駅にいるのか確認した。

「先輩、駅過ぎましたよね?ごめんなさい、私が寄りかかって爆睡してしまったから…。』

全力で謝ると先輩は笑った。

「ふっ、乃蒼ちゃんだけのせいじゃないよ?蓮も俺に寄りかかって寝てるし、もしこの2人を置いてったら絶対起きないなって思ったから。」

兄弟揃って先輩に寄りかかってしまうとは…。

『あの、反対の電車ありますか?』

「大丈夫だから気にしないで。どちらかというと、蓮起こしてくれると助かるかな」

そう言われて蓮の方を見ると、大爆睡していた。そんな蓮を叩き起こして最寄り駅に降り、先輩を見送ってから家に帰った。


先輩にお弁当美味しいって言ってもらえてよかった。今度から作ってあげようかな…。


私達のチームは、試合で順調に勝ち進み…

「アウト!!試合終了ー!!」

『やったー、勝った!!』

『やりましたね、先輩!!』

そう、私達は優勝したのだ。2年ぶりの優勝ということで、先生も大喜びだった。


この後みんなで打ち上げをして騒いだ。

こんなに楽しい時間を過ごしたのは、久しぶりだ。

「マネージャー達も色々やってくれてありがとな!!」

みんなに感謝されて嬉しかったし、マネージャーになって本当によかったと思った。

「おっし、次はインハイだ!!みんな、頑張るぞー!!」

「「「おおーーー!!!」」」


こうして私たちの熱い大会は幕を閉じた。

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