再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「彼女、あなたの子を妊娠しています。」
「・・・え?」
稜真の言葉に理久が稜真の方を見る。

「あなたのコンサートの時には知っていたみたいです。」
理久の中に、麻衣との会話も、麻衣の表情も一気に蘇る。

理久は麻衣の方に視線を向けた。

痛々しく額に包帯を巻いて、真っ青な顔で眠っている麻衣。

「・・・ばかだな・・・ばかやろ・・・」
理久は泣きながら麻衣の頬を包み込むように触れる。

「どうしてもっと俺を頼らないんだよ。どうして俺に・・・」
悔しそうに唇をかみしめながら、涙を流す理久に、稜真は今まで理久に感じていたいら立ちが消えていくのを感じた。
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