再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
『これから会見してくる。』
「うん」
『見なくていいからな』
「・・・うん」
記者からの質問も何を言われるかはわからない。
麻衣を傷つける状況になるかもしれないとわかっている理久は、そういう。
『なるべく早く帰る。』
「うん。待ってる。」
『なんかいいな。新婚って感じだな。』
「ふふっ」
電話の向こうでも、麻衣が笑ってくれていることがわかって理久はほっとする。

『ごめんな。』
麻衣が自分が理久にとって、足かせになると思っているように、理久も、自分でなければ麻衣にこんな思いをさせないまま幸せに暮らせたのにと、思っていた。
「謝らないで。」
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