君じゃなきゃ。
<4>


その後のリハーサルは順調良く進み、昼からの仕事もそれなりに進んだが、その分雑用にまで手を出してしまい結局2時間の残業の後、会社を出ることにした。


今日は真っ直ぐ家へ帰ろう。


「お先に失礼します!」

「はい、お疲れ~」

先輩はまだ仕事を続ける様子だが、先に帰らせてもらおう。


……というか、これ以上残っていると先輩に

「女の子は早く帰ること!」

とか言って注意されそう。


更衣室から鞄を持ち出し、エレベーターに乗り込む。


珍しく携帯の画面を確認するが着信もメールの受信も何もない。

< 118 / 357 >

この作品をシェア

pagetop