むすんで、ひらいて、恋をして
「でも、ホントに、私は莉生のお料理の腕、尊敬してるよ?」



「……俺、アリスと暮らし始めて、ゼッタイ料理の腕、あがったと思う」



最近は、ただアリスを喜ばせるためだけに、料理してる気がする。



「でも、そっか……。そうだよね。もし、お父さんと今も一緒に暮らしてたら、莉生のご飯は食べられなかったんだもんね」



「そうだよ。これからも、お前の好きなもの作ってやるからさ」



「うんっ」



雷が遠のいたのか、雨音だけがぱらぱらと聞こえてくる。



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