7歳の侯爵夫人
フィリップの話を聞きながら、やっぱり王族というのは傲慢だ…、とオレリアンは思う。

2人の10年間がどんなものだったのかなんて、オレリアンは知らない。
でも、例え心から想い合っていて、今もまだお互い未練を持っていたとしても、側妃になることが幸せだとは、全く思えない。
2人の妻を持つ夫が幸せだとは思えないし、夫の愛を他の女と分け合う妻が幸せとは、どうしても思えないのだ。
全くもって不敬だが、オレリアンは呆れるようにため息をついた。

「殿下…。何度でも言いますが、コニーと私は想い合っています。私たちは昨日まで、自領で蜜月とも言うべき2ヶ月を過ごして参りました。私たちは本当に、幸せな夫婦なのです」
「自領に引きこもっていたのはコニーの療養のためと言うより、醜聞の鎮火をはかってのことであろう?私はそなたの話は信用出来ない。もしどうしても夫婦仲がうまくいっていると言うなら、コニーからその言葉を聞かせてくれ」
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