マリーが戸惑っている間に野戦病院の上司とは話がつけられており、王子直属の仕事など名誉なことだと手放しに喜ばれたらしい。

 そしてあろうことか聖獣の隣の部屋、つまり城に住む手筈が整えられていた。

 これも"監視下"に置くためなのだそうで、抵抗の余地はなかった。

 聖獣のいる部屋に向かいながら、昨日のイーサンとの取り決めを思い出す。

『ここにカーティスがいることはもちろん、エリック王子の聖獣がいることは他言無用でお願いします』

 マリーもカーティスに会うまでは、エリックには相棒の聖獣がいないのだと信じ切っていた。

『もし、うっかり話しちゃった場合は……』

『社会的に抹消されると心しておいてください』

 恐ろしい眼差しを向けられ、今ではエリックよりもイーサンの方が冷血に思える。

 社会的ってなに?
 打首より地味に恐怖なんですけど‼︎

『そしてエリック様のこのお姿についても同様です』

 そろりとエリックに視線を移すと、目が合ってにっこりと微笑まれる。すごい変わり様だ。

 笑うだけで、花や星を飛ばせるんじゃないかしら。

 麗しい姿に目がチカチカする。

『表向きは先ほど見ていただいた聖獣たちの世話係としての行動をお願いします』

 というわけで、朝から聖獣たちの部屋に向かっているのである。