ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
新婚生活に新たな希望を!


 ピピピピピ……
 いつもと変わらない起床時間を知らせるアラームの音。目を閉じたまま手探りでそれを止めると、そのまま身体を伸ばしゆっくりと目を開ける。
 そこにはいつもと変わらない、聖壱(せいいち)さんの寝顔が……ない?

「……え? ねえ、聖壱さん?」

 布団を手で叩いて確認しても、やはりそこに彼の姿は無くて。のそのそと起き上がりリビングへと移動しても、しんと静まり返っている。トイレや浴室にも人の気配はない。

「もう仕事に行ったのかしら? 今日は早朝からの予定は無かったはずだけど」

 私は聖壱さんの秘書として働いているので、彼のスケジュールもちゃんと把握している。もしかして急な予定変更でもあったのかもしれない、サポートの沖名さんもいるし心配はないでしょう。
 私にも今日は大事な用事があるのだから、聖壱さんの事ばかりは考えていられない。簡単な朝食を準備し済ませると、シャワーを浴びて用意を済ませる。

 時間に余裕があったのでちょっとだけ妊娠についてインターネットで調べてみたり。そうこうしている間に時間は過ぎて……
 私は一人でホスピタルに向かう。

「うそでしょ? この産婦人科にはこんなにも旦那さんが一緒に来てるものなの?」

 産婦人科の待合ロビーには仲良さげに寄り添う夫婦が何組も座っていて。知らなかったとはいえ、聖壱さんと一緒に来なかったことを後悔してしまう。


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