愛の距離がハカレナイ
6
「お疲れ様。」

会社からほど近い本屋に祐介がやって来た。

私と祐介、そして香澄との決まった待ち合わせ場所。

「南川課長に帰り際に捕まってしまって遅くなった。ごめん。」

そして祐介はマジマジと私の顔を見つめる。

「ん?どうした?」

「いや…、阿里はもう俺の彼女なんだよな。」

祐介の顔がくしゃっと崩れた。

その表情に私もほわっと嬉しく感じる。

「改めてそんな事を言われると恥ずかしいね。」

私は身体が熱くなるのを感じる。

「平川の家にはそのまま向かうか?」

「そうだね。少し遅くなってしまったしね。」

私は腕時計を見る。

< 44 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop