愛の距離がハカレナイ
するとその反対の手をすっと祐介が握った。

「阿里。」

祐介に自分の名前を呼ばれるとくすぐったい気がする。

「そう言えば、阿里は南川課長の専属の営業補佐になったんだって?」

「どうして知っているの?」

私は祐介の顔を見上げる。

ちょっと近いな…、とどきどきしながら。

「営業会議でそういうシステムの試行が行われるって話があった。でもまさか阿里がその当事者になるとは思っていなかったから、凄く驚いた。」

祐介の握る手に力がこもった。

「しかも南川課長と組むなんてな。俺の不安が的中した様な気がした。」

私の何とも言えない表情に気が付いた祐介は、私をニッコリと見下ろした。

「阿里を信じているよ。昨日阿里が俺をそういう気持ちにさせてくれたんだ。」

祐介のそんな気持ちに答えるように、私はぎゅっと祐介の手を握り返す。

< 45 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop