極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
エピローグ


昼のピークタイムを過ぎた休憩室は、人もまばら。昨日のうちに一緒にお弁当を食べようと約束していた萌子とふたり、美羽は一番奥のテーブルに腰を落ち着けた。


「しっかし、美羽が本郷さんと結婚してたなんて未だに信じられないんだけど」


社内に公表する前に萌子には知らせておこうと、翔に想いを伝えた翌日こっそり打ち明けていた。
最初は『エイプリルフールはまだ先だよ?』とまったく信じなかった萌子だが、真顔の美羽を見て悲鳴を上げるほどの驚きぶりだった。

先週末には兄、大晴の結婚式が開かれ、両親と翔の対面も果たした。式のあとに四人でとった食事の場で、美羽の妊娠も発表。両親は『今日はダブルでおめでたい日ね!』と大喜びだった。
美羽はもちろんのこと翔と父の三人で飛行機談義に花が咲き、夜が更けていった。

翔の母、有子に至っては、報告した直後から自宅マンションにちょくちょくベビー用品が届けられている。そのうちにそのプレゼントだけでひと部屋潰すだろう。


「社内の情報ならお任せ!の私が、一番近くにいる美羽の結婚を知らないなんてさ」
「本当にごめんね」


唇を尖らせて不満をめいっぱい表す萌子に、美羽はただただ謝る以外にない。
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