私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

33.冥土の土産に







そこにある【紫の門】は、架威の手によって出現したもの。

【紫の門】は、魔族が使う空間転移術。

架威は魔族ではないのに、魔族の術式を使える。

何故……とは、今の話からすると、答えはもう明らかだ。



「人の血肉や骨を、喉を通して胃袋に入れる。それは体の芯から漲るようだったよ、魔族も神族も……!」

「なっ……!」



……この天界には、こんな歴史がある。

先の天帝の側室に、欲深い者がいて。

魅了の術式を駆使して、先の天帝を籠絡し、自分の美貌を維持するために、自分と同じ側室の血肉を喰らっていた、と。

そして、神力が自分の血肉となり、強大な力を得ていた。

それをきっかけに、家臣の謀反による大戦争が起きた、と。

『人喰い』と魅了は禁忌。魔族にも劣る行為とされている。



架威は、魔族を喰らって、魔族でもないのにその力を……【紫の門】を開く力を手に入れたのだ。

しかも、今の口ぶりからすると、架威が喰らったのは魔族だけではない。

恐らく神族も……!

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