お見合い相手から溺愛されて困っています。
週明け、2人にお土産を渡すとあれこれ聞かれた。
そういえば金曜に2人が桜木さんのことを誘っていたが断られていたんだよね…と気まずく思うが2人からは
「いつもあかりさんのこと見てたから気があるのは知ってましたよ〜。店長と仲良くなる前からあかりさんのことは目で追ってましたもん。」

「知らなかった…。」

「でしょうね。彼がいたし、何よりあかりさんはイケメンとか御曹司とか興味なさそうですもんね。」

「そうかもね。そういうのには魅力を感じないかなぁ。私は彼と別れて価値観とか共有する時間の使い方とかについてすごく考えさせられたんだよね。だからこれからはよく考えるつもり。」

「そうですよね。色々考えちゃいますよね。」

「うん。でも、もう恋はしたくない。私29歳だもん。今から好きな人を見つけて、付き合ってみて、うまくいかなくて別れて、なんてなったらもう若くないし立ち直れないよ。だから相手も結婚を前提にしたお見合いで結婚を決めていくつもり。」

「桜木さんはどうなるんですか?」

「もちろんすごく良い人だけど私には勿体無いわ。それに私と釣り合うとは思えなくて。」

「確かにハイスペックですよね。でも…。あかりさんを思う気持ちを否定するですか?」

そう…それが今の私の中に渦巻く気持ち。
桜木さんは私のため、副社長の椅子なんていらない、とさえ言ってくれた。
ただの男として見てほしい、と。
桜木さんのことを知れば知るほど桜木さんが欲しくなる自分がいる。
ハイスペックな彼はいらないのに桜木さんだからまた会いたいと思ってしまう。

どうしたらいいんだろう。
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