今は秘書の時間ではありません

巻き返し

3日経った…が、未だ開発からは何の返答もない。
請求した資料さえ届かない。

事業計画案は会議で直接いうつもりなのか。

社長、室長、橋本さんはなんだか楽しそうに会議室へ向かう。
その後ろを小走りで追いかけ、会議室へ入った。

そこには数人しかおらず、専務を始め開発チームもほぼ不参加。

「笑えるな。こっちを見限ったつもりか。俺のことは知らない、と。そのうち不信任動議でもしてくるか?」

「あり得るなぁ…馬鹿だなぁ。」

「やってくるまで待つか?」

「でも早めにやってくれないと時間がもったいないからこっちから仕掛けたほうが良くないか?」

笑いながら3人は話しているが、内容は至ってシビア。
社長解任についての決議が行なわれる可能性があるのよね?
そもそもあんなふざけた態度の社長が今更真面目になってもいい印象はない。
解任になるのではないか。

会話を聞いてヒヤヒヤしてるのは私だけではないだろう。

集まってくれた数人の社員も会話を聞いて社長側に来たことを不安に思ったのではないか。

「社長。どうなさるんですか?」

「どうもこうもこっちから仕掛けるさ。向こうのスピード感に合わせてたら何日かかるかわからない。今日来なかったことを後悔させてやる。」

怖すぎる。
何をする気なの?
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