【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。

*学校に行きたい



 あれから3ヶ月が過ぎた――。


『お嬢様、参りましょう』

 執事の七瀬(ななせ)にそう言われ、病院のリハビリ室へと一緒に歩く。

 ここは、藍瀬大学病院の耳鼻咽喉科にある言語聴覚訓練室だ。


「こんにちわ、美央さん」


 あの日――私は、遊園地から家に帰宅してお父様の部屋に直行した。


【声を出す訓練がしたいの。哉斗くんと話がしたい】


「哉斗くんは手話やってくれるんだろう? ならそのままで」

【声を出して、哉斗くんと話がしたい。それに学校に行きたい】

 

< 147 / 239 >

この作品をシェア

pagetop